霞ヶ関官僚が読む本
叱咤で子どもの「やる気」は出ない…まずは適度な「ハードルを越えた感」を

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ダメな人間などいません。ダメな指導者がいるだけ

「子どもにとって、受験より大事なのは、絶対無理って思えることをやり遂げたっていう経験なんです」

   ゼッタイ無理と思われるようなことでも、自分はやるんだ、できるんだと目標に設定することがまず大事。そこを諦めさせてしまっているところが、大人(指導者)の情けないところ。と同時に、大人自身が、はなから無理だからと諦めてしまっていることが最大の原因だという。

   日頃、中間管理職として、部下の育成に四苦八苦している評者にとっても、胸に刺さる言葉だ。

   「やる気」にさせるには、煽るのではダメ。「やる気」になるから、できるようになるのではなく、できるようになるから、「やる気」になるのだという。

   問題集も、○が6割、×が4割になるようなものを選ぶのがよい。分からない問題がほとんどだとやる気が起きない。やる気を引き出す際に大切なことは、適度な「ハードルを越えた感」だとする。

   「アタリマエ」のことを言われている気もするが、なかなかどうして、部下の指導も、我が子の教育も、こんな風にはいかない。

   日頃、「やる気」が出ない我が子に対して、つい、「やる気さえあれば何だってできる。やる気を出せ」と虚しい叱咤を繰り返していたことを思い出す。

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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