【書評ウォッチ】賃上げで所得再配分を 国債のカラクリとは?

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国債は「見えない税金」

   金融緩和の一方でいっこうに減らない財政赤字と賃上げや資金の流れについて考えたのが『国債リスク』。

   国債を主に買っているのは銀行だが、その出元はみんなの預金だ。企業が長く賃上げをしないでためた資金も銀行へ。それらで銀行は国債を買ってきた。預金と国債の金利差を考えれば、まるで「見えない徴税システム」だとの指摘。金融機関にもうけさせているだけとは言わないが、それに近い構造をついた一冊だ。

   その国債暴落の可能性を、本は3%ほどと推測。この確率がアベノミクスによってほんの少し上昇したのではと、著者は冷静にはじき出している。朝日新聞の評者は森健さん。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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