ブラック企業の隠れ蓑にされないように
「おもてなし」の快いイメージに酔うとつい忘れがちだが、ブラック企業の隠れ蓑にされないように社会的な監視が必要だろう。書評は日経新聞に、「数量的把握が不可欠」などと評者の中村清さんがもっぱら企業の視点で書いている。たとえばクレーム率との関係とかをさすらしい。「利益を逸失しないようにするのがおもてなしの本来の意味とも言えるだろう」とも。それが本来の? 「無私無欲」のお気持ちでは、どうもなさそうだ。
『原発敗戦』(船橋洋一著、文春新書)が朝日新聞に。福島第一原発事故は太平洋戦争と似ていると問題提起する。現場は強いがトップが弱い。そうかもしれない。評者無署名。
(ジャーナリスト 高橋俊一)