「人の問題」に注目した起業指南書
『起業家はどこで選択を誤るのか スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ』
誰と起業するか、誰を雇うか、誰に投資してもらうか――。日本にも「企業は人なり」という言葉があるが、英治出版の『起業家はどこで選択を誤るのか スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ』(著・ノーム・ワッサーマン、訳・小川育男、3675円)は、起業における「人の問題」に着目したビジネス書である。
著者はハーバード・ビジネススクールの教授で、同スクールの優秀教職員賞や米国経営学協会イノベーション教育賞を受賞している。全米約1万人の有名無名の起業家への調査とインタビューなど10年以上にわたる研究の蓄積がある。起業の成功と失敗の本質を解き明かし、豊富な実例をもとに肩書きや給与の決め方、投資家との付き合い方といった具体的でデリケートな問題に説得力あるアドバイスをしている。