豪華執筆陣による刺激的な論文集
『別冊アステイオン 「災後」の文明』「3.11の東日本大震災の勃発によって、この国の長い長い「戦後」に終止符が打たれ、新たに「災後」の時代が始まった…「災後」の自立は、「戦後」の否定の上に成り立つであろう」。「序」でそう述べているように、歴史の転換を意識したスケールの大きい視点である。阪急コミュニケーションズの『別冊アステイオン 「災後」の文明』(責任編集・御厨貴、飯尾潤、編・サントリー文化財団「震災後の日本に関する研究会」、1890円)は、このような問題意識で始まった研究会の議論と研究成果を1冊にまとめたものである。
取り上げているテーマは被災地復興、自衛隊、グローバル化、天皇制、ソーシャルメディア、リスボン地震・・・と幅広い。政治、経済、社会学をはじめ各分野で活躍中の豪華執筆陣による、これからの日本のあり方を考えるための刺激的な論文集となっている。