東日本大震災から3年を迎えた。あの日、自分は何をしていたのか。あれから何が変わり、変わらなかったのか。これから被災地は、そして日本はどうなるのか。「3.11」は、誰もが立ち止まって考える日だ。明日に向けて一歩を踏み出すために、確かな1冊を見つけたい。
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「ピッカピカおかみさん」の奮闘記
『おかみのさんま 気仙沼を生き抜く魚問屋3代目・斉藤和枝の記録』「斉吉商店の和枝さんは、いっつもピッカピカなんです」とコピーライターの糸井重里さんが本の帯に書いている。斉吉商店とは、宮城県気仙沼市の古くからの魚問屋だが、食品加工にも手を広げ、地元で獲れるさんまをやわらかく煮込んだ「金のさんま」が看板商品だ。和枝さんはその3代目おかみであり、日経BP社の日経WOMAN選書『おかみのさんま 気仙沼を生き抜く魚問屋3代目・斉藤和枝の記録』(著・斉藤和枝、1470円)は、震災を乗り越えた奮闘記である。
津波に襲われ自宅兼本社も工場も販売店も全壊したが、持ち前のバイタリティーで事業再開にこぎつけた。その秘訣はなにか。「どんなときでも、とにかく動く」「つらいときでも『いいこと探し』をする」――。糸井さんによれば、「金のことば」がいっぱい詰まっている。