15歳の中学生、平野歩夢君の銀メダルには驚いた。スノーボードハーフパイプという比較的新しい種目で、若い才能が五輪という大舞台で見事に花開いた。始めたのは4歳のころというが、どんな英才教育を受けたのか。平野君のような活躍は夢また夢の話だが、スポーツに限らず、わが子の才能、いや長所を少しでも早く見つけて伸ばしてやりたいと願うのは、世の多くの親たちの自然な気持ちだろう。わが子をどう育てるか、英才教育について考えてみる。
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名古屋で生まれたフィギュアの名選手
『素直な心が才能を伸ばす! だれでも結果は出せる』ソチ五輪で活躍した浅田真央や村上佳菜子、アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどり、NHK杯優勝経験のある中野友加里らフィギュアスケートの名選手はなぜ名古屋から生まれるのか。彼女たちを育てた一人のコーチがいるからだ。青春出版社の『素直な心が才能を伸ばす! だれでも結果は出せる』(著・山田満知子、1470円)は、そのコーチが明かす一流選手育成の方法である。
「スケートだけが人生ではない」が持論で、「愛される選手になりなさい」と教え、「成績のいい子より性格のいい子」と躾の大切さを説いた。練習嫌いだった伊藤を自宅に住まわせ、靴の脱ぎ方まで指導した。浅田は放っておいても練習する手のかからない子だった。異なる様々な個性を育て上げた秘訣はどこにあるのか。
成績左右するのは暗記より鉛筆の持ち方
『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』高校受験、大学受験も大変だが、親がいちばん気をもむのは12歳で受験する中学受験だ。遊び盛りの子どもを机に向かわせ、よその子より一歩でも先に進ませるにはどうしたらいいか。この手の受験ものは数多いが、アスコムの『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(著・西村則康、1365円)の著者は、これまで有名難関中学に2500人以上合格させてきたという実績を誇る家庭教師のプロだ。
受験勉強を単なる詰め込みや暗記とせず、「なぜ」や「だから」を大事にする。具体的には「小4までに『なるほど!』と3000回言えるか」「コンパスが使えない子は理数脳になれない」「鉛筆の持ち方が成績を左右する」といったチェックポイントを上げる。「きょう学校どうだった?」「楽しかった」なんていう会話は最悪だそうだ。
20歳過ぎてもただの人でなかった超天才
『読む・書く・考える IQ200の「学び」の方法』「10歳で神童、15歳で才子、20歳過ぎればただの人」ということわざがあるが、祥伝社の『読む・書く・考える IQ200の「学び」の方法』(著・矢野祥、1365円)は、ただの人に終わらなかった神童がその勉強法を公開し、これまでの歩みを綴ったものだ。
著者は1990年、日本人の父と韓国人の母との間に生まれた。3歳でショパンのピアノ曲を弾き、4歳でIQ(知能指数)200以上と測定された。9歳で米イリノイ州のロヨラ大学に入学、12歳でシカゴ大学医学部大学院に進む。18歳で生物学博士号を授与され、21歳で医学博士号を取得し、現在はシカゴ大学付属病院で医師として勤務している。「『学び』」とは何か」から始まり、「読む」「書く」「考える」「習う」と続き、初めて読んだ本や母に叱られて書いた反省文、授業の勉強法にも触れるなど興味深い内容となっている。