スペインの地方都市の食の革命
『人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか――スペイン サン・セバスチャンの奇跡』
世界無形文化遺産に登録された「和食」をもっともっと世界にアピールして「観光立国・日本」の目玉にできないか。祥伝社新書の『人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか――スペイン サン・セバスチャンの奇跡』(著・高城剛、819円)が紹介するスペインの小都市、サン・セバスチャンの成功物語はそのためのひとつのヒントを与えてくれる。
イベリア半島の付け根に位置するかつての高級保養地。食材に恵まれた土地ではあったが、世界中の食通たちが集まる美食の街として知られるようになったのは、ここ10年のことだ。きっかけは「ヌエバ・コッシーナ」と呼ばれる若いシェフたちによる食の運動だった。互いに協力しながら伝統にとらわれない新しい料理をつくり、食のレベルを飛躍的に向上させたのだ。日本の地方都市にも参考になりそうな話である。