霞ヶ関官僚が読む本
「私」なるものを正面から意識、明らかに「心」が軽くなる

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科学的分析から「心の哲学」に

   ロボット工学、脳科学という科学的な分析から始まり、仏教におけるブッダの哲学や「悟りの境地」という「心の哲学」に到る、総合的な学問の集積の書。そして、読みやすい、分かりやすいというのも2冊共通の特徴。

   2冊の本を読む順序としては、脳内神経ネットワークを科学的に解説した『脳はなぜ「心」を作ったのか』を読まれたあと、その仮説を前提に「死」を超越し「今をいきいきと生きる」ための思考方法を紹介した『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』を読まれることをお勧めする。

   私は、この2冊の本に接し、人生で初めて「私」なるものを正面から意識したような気がするし、明らかに「心」が軽くなった。その感じが、筆者の指摘する幻想であろうと、なかろうと。

総務省(課長級)From Paris

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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