「商事案件に特化した投資家向け経済情報サイト」へ――ニュースサイト「さくらフィナンシャルニュース(SFN)」は2014年2月10日、サイトの大幅リニューアルを行ったことを明らかにした。
SFNは2007年開設、金融系の情報を主に配信してきた。しかし今回、企業をめぐる訴訟案件(いわゆる商事案件)を軸とするサイトとして再出発、個人投資家を主な読者に想定し、既存メディアが報じてこなかった企業情報に切り込む。
「ネットだからこそできることを」
商事案件は多くの場合、当事者の企業にとってはあまり知られたくない話だ。メディアでも、積極的に扱われては来なかった。
SFNではそんな商事案件を個人投資家の視点から追い、積極的に情報を公開していく。また有料会員を新たに募集し、会員に対しては詳細な裁判記録や資料なども提供するという。こうした取り組みを通じて、「会社と株主が相互に監視できる社会」を目指す。
『私が愛した官僚たち』(講談社)などの著書でも知られる横田由美子編集長によれば、新SFNの商事案件記事ではほぼ必ず、事件番号と裁判官の名前を記録するという。それにより、「国民審査」も含め形骸化している裁判所人事など、日本の裁判制度、司法のあり方にも一石を投じることを目標とする。
「海外では、判決を下す判事のキャリアや経歴は、政治家並みに報道されます。しかし、日本では、最高裁人事は『聖域』に近く、ほとんど報じられることはありません。国民は、最高裁裁判官の罷免権すら持っているのに、材料不足で判断できず、投票所で困った経験を持つ人も少なくないはずです」
「今後もネットのサイトだからこそできる有益な情報を提供していくつもりです」と横田編集長は意気込む。2月中はパイロット版として運営し、3月から本格的に課金プランを展開する予定だ。