日米経済戦争の影に消費税あり
『アメリカは日本の消費税を許さない 通貨戦争で読み解く世界経済』
日本の消費税とアメリカの経済との間には意外な因果関係があった。キャロライン・ケネディ駐日米大使の人気に象徴されるように、日本とアメリカは互いに重要な同盟関係にあるが、経済の面ではしばしば深刻な貿易摩擦を起こしてきた。文藝春秋の文春新書『アメリカは日本の消費税を許さない 通貨戦争で読み解く世界経済』(著・岩本沙弓、788円)は、その要因のひとつに日本の消費税があると分析する。
日本を代表する大手の輸出企業が消費増税を歓迎するのはなぜか。アメリカに製品を輸出すると、消費税に相当する額の輸出還付金を受け取ることができるのだ。アメリカはこれを非関税障壁として、消費税増税の動きがあるたびに「報復」を仕掛けてきた――。米公文書館の資料をもとに「日米経済戦争の真相」を明らかにする。