2014年1月20日から6日間に渡り、パリのオペラ地区にあるレストランを会場に、日本のご当地ラーメンが日替わりで味わえるイベント「パリ・ラーメンウィークPARIS RAMEN WEEK ZuZutto」が開催された。会場前には毎日、行列ができ、完売のためラーメンを食べられずに帰った客もいるほどの盛況ぶりだった。
食の都パリで、日本の食文化としてラーメンを紹介
パリ・ラーメンウィークをプロデュースしたのは、博多一風堂などのラーメン事業を展開する、株式会社"力の源カンパニー"。経済産業省が公募した、"平成25年度クールジャパン戦略推進事業"で、応募145件の中から採択された13件のプロジェクトの一つだ。
同社執行役員本部長の山根智之さんは、「ラーメンを世界に広げることがこのプロジェクトの目的ですが、今回は、食の都パリで、ただラーメンを提供するだけではなく、食文化としてのラーメン、つまりその歴史や関わる人間などを含めて紹介します。また、ちばき屋の支那そば、とら食堂の白河ラーメンなどトラディショナルなものから、中村屋、ソラノイロなどの創作系まで、ラーメンの幅の広さを知ってもらえるように努めました」。
当初目標は1日300~500食だったが、実際は600~700食が出て、特に4日目の一風堂のとんこつラーメンは870食を完売したそうだ。
客の7割はフランス人、RAMEN はYAKITORI, SUSHIに続くか?
このイベント、祖国の味を懐かしむフランス在住日本人を集めるかと思いきや、フタを開ければ、客の7割近くがフランス人。会場が、日本食材店、和食レストラン、日本書店などが並ぶ界隈にあるという地の利も手伝い、日本ファンのフランス人客も多かった。「日本のアニメやマンガが好きなので、日本の食べ物にも興味がある」「日本食は寿司と焼き鳥しか知らなかったけど、ラーメンを食べて、その幅広さに感心した」中には「今まで食べたラーメンの中で一番おいしかったわ」なんて日本食通らしきマダムも。他には「温かいスープの中にパスタが入っている、というフランス料理にはない、オリジナルな発想が面白い」「ベトナム料理のホーに似ている」など、様々な意見が聞かれたが、「とてもおいしかった」と満足する人がほとんど。
YAKITORI、SUSHIがフランス人の食生活に浸透して久しいが、それに続いて今度はRAMENが新たな日本食ブームを巻き起こすかもしれない。