小泉今日子が推奨した青春音楽小説
『よろこびの歌』
実業之日本社の文庫『よろこびの歌』(著・宮下奈都、560円)は、単行本が発売された2009年に読売新聞書評委員が選ぶ「2009年の3冊」で女優の小泉今日子が推奨して話題を呼んだ。校内合唱コンクールをきっかけに少女たちが心を通わせながら成長していく物語で、続編『終わらない歌』は高校を卒業した仲間たちのその後を追う。
著者は1967年、福井県生まれ。上智大学哲学科卒。2004年に『静かな雨』で文學界新人賞の佳作に入選し、作家デビューを果たす。その後も長編『スコーレNo.4』や短編集『遠くの声に耳を澄ませて』がメディアで取り上げられ、『誰かが足りない』は2012年の本屋大賞の第7位に選ばれた。人生に迷い悩みながらもまっすぐに生きる人物を温かく丁寧に描く作風で、書店員からの支持も熱い。