今の結婚制度は非現実的に
家族関係も金銭感覚も、宗教観も変化する。大人になるまでの時間も相手を選ぶ時間もたっぷりあるから、今の結婚制度自体が非現実的に。その前に「長生きする人類に地球が対応できるか」という大問題がある。
環境をどう浄化するか、資源をどう配分するのか。パニック映画でも観る感じだが、著者・米国シリコンバレーの研究者はあくまでクールに分析している。
このほか『日本史の謎は「地形」で解ける』(竹村公太郎著、PHP文庫)がおもしろい。
徳川家康が江戸に幕府を開いたのは広大な関東平野があるからというのがよくある答えだ。が、当時の江戸は湿地帯で、とてもとても。大土木工事によって新田を開発できるとの確かな見通しこそ家康のすごさだという解釈だ。
蒙古襲来も、福岡はモンゴルにはない湿地帯で、得意の騎馬隊が機能しなかったのだそうだ。著者は元国土交通省河川局長。読売「ポケットに1冊」欄に。評者は「鵜」1字。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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