創業時に既に技術開発済み
本書を読んでのもう1つの発見は、1995年の事業開始の当初から、アマゾンの顧客志向型の技術プラットフォームの多くが既に開発されていたことである。具体的には、例の「ショッピングカート」、クレジットカード番号の入力システム、検索エンジン、カスタマーレビュー、さらには個々人向けの推薦機能など、今日のオンラインショッピングの定番テクノロジーが、創業1~2年のうちに次々と用意されていったことは驚きである。しかも、このために必要となる天才エンジニアの獲得と事業資金調達のためにベゾスがたった一人で泥臭く奔走するわけである。そういう手作りの創業物語が米国では当たり前だということに改めて感動する。