ドイツ生まれの禅僧が説く大人の心得
『禅が教える「大人」になるための8つの修行』道元の『正法眼蔵』を読んだ日本人はどれぐらいいるだろうか。祥伝社新書の『禅が教える「大人」になるための8つの修行』(著・ネルケ無方、840円)は、ドイツ・ベルリン生まれの禅僧が『正法眼蔵』の最終巻にある「八大人覚」をわかりやすく解説する。
「八大人覚」とは、大人として悟り知るべき8つの教えのことで、これを修得すれば、本物の大人になれるというものだ。具体的には「少欲」「知足」「楽寂静(ぎょうじゃくじょう)」「勤精進(ごんしょうじん)」「不忘念(ふもうねん)」「修禅定(しゅぜんじょう)」「修智慧(しゅうちえ)」「不戯論(ふけろん)」。著者によれば、ドイツ人は14歳からでも親の許可があれば酒が飲め、早くから自立をめざして家を出るが、日本では家がアイデンティティー確認の場となっており、大人になりにくい状況があると指摘する。