コカ・コーラ「ホット炭酸飲料」が売上好調 ブランド担当者の語る「マーケティング戦略」とは…

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   「あっつ~い炭酸」で話題をさらったコカ・コーラグループのホット炭酸飲料「カナダドライ ホットジンジャーエール」。発売から8週間ではやくも1000万本を突破し、好調なスタートを切ったことが2013年12月16日、わかった。

製品認知度も「異例の高さ」

日本コカ・コーラの小笠原一郎さん
日本コカ・コーラの小笠原一郎さん
「こんなにマスコミからの取材申込みが来たのは会社人生で初めてかもしれない」

   日本コカ・コーラ マーケティング本部炭酸カテゴリーでグループマネージャーを務める小笠原一郎さんはこう笑う。「ホット炭酸」というまったく新しいカテゴリーをヒットに導いたカギは何か、開発の経緯から話をきいた。

「冬場は夏場に比べてどうしても炭酸飲料の需要が落ちる。そこで製品として冬場に楽しめるものをという話になり、冷たくして飲むのが当たり前の炭酸飲料をホットにすると今までにない革新的な炭酸飲料ができるのではないか、と開発がスタートしました」(小笠原さん)

   プロモーションも、「あっつ~い炭酸」という「異色さ」を前面に押し出し、興味を引くことを狙った。

「『何これ?!』と言わせたり、思わせようと考えていました。公式サイトで公開中の動画『あっつ~い炭酸物語』も、関西人のクリエイターがリードして、『少し大げさ』『ありえない』と興味を引けるような小ネタを盛り込んでいます。そこから『飲んでみたい』に繋がればと」

   仕掛けは、思っていた以上に功を奏した。発表直後、ネット上では関連用語がバズワードになり、小笠原さんのもとには数多くの取材依頼が。動画を元にしたテレビCMの好感度も高いという。

   同社の調査によれば、製品の認知度は5週目にして新製品の炭酸飲料の平均値と比較すると異例の高さで、製品購入意向も同じく新製品の炭酸飲料を平均を上回って堅調に推移している。

「ニッチで珍しい、で終わりたくない」

   売れ行きも消費者の認知も「想定以上」。次の課題は「どうやって飲んでもらうか」と語る。

「興味はあるが飲んでいないという方がまだたくさんいらっしゃいますので、札幌、東京、名古屋、大阪、でサンプリングをおこないました。自動販売機への展開ももっと増やして、買いやすい環境も整えていきたいですね」

   なお、サンプリングは好評につき、12月には金沢・仙台・盛岡・福岡での実施を予定している。

   まだ飲んでいないという人に向けては、「『ニッチで珍しい商品、ちょっと試してみてそれで終わり』という風にはしたくなかった。4年の研究開発を通じて、一度試したらまた飲んでもらえるようなおいしい味わいにこだわりました。一度試してもらえれば、ご満足いただけると思います」と自信を覗かせた。

   「カナダドライ ホットジンジャーエール」はコカ・コーラ史上、世界初のホット炭酸飲料。ジンジャーエキス配合でジンジャーフレーバーを引き出し、アップルフレーバーとシナモンフレーバーを加えることで豊かな香りと味わいを実現した。飲んだ人からは「おいしい」「カラダがあたたまる」「あたたかい炭酸の刺激が新感覚」など、さまざまな反響を得ているという。

   180ml缶で、価格は120円。

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