蔓延する「社会的手抜き」を社会心理学者が
人はさぼる動物だ。とくに集団の中にいると、一人だけの作業時よりも努力しなくなる。そういう人間の傾向と対策を考えた『人はなぜ集団になると怠けるのか』(釘原直樹著、中公新書)が朝日新聞に。これを「社会的手抜き」とよぶそうだ。
力仕事でも頭脳労働でも同じだという。今さら教えてもらわなくても経験上よく知っているよと言う人もいそうだが、授業中の問題行動、生活保護費の不正受給、スポーツの八百長など、あげればきりもなく蔓延している実態を社会心理学者が解き明かした。評者は森健さん。
バブルから今の日本へ切り換わった時をさぐる『1995年』(速水健朗著、ちくま新書)も面白い。震災、オウム、雇用の転換点。世が確かに動いた。読売の評者は開沼博さんだ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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