【書評ウォッチ】秘密保護法は原発の情報も隠すか 政府の思惑と消えない不安

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原子力と軍事の情報隠し

   今日にいたる「潜在的核抑止論」だが、一方で原発建設には歯止めがかからない。こうした経過を本は強引な政治手法や核のゴミ問題にも触れながら追っている。

   「権力者は電力供給と核抑止という二枚のカードを求めて原発を欲しがる」「彼らは原子力と軍事の一体化に関わる情報を隠し、操作してきた」と、評者・山岡淳一郎さん。

   政府は今も原発を手放さず、今後も原子力を主要電源にしつづける魂胆が経産省を中心に露わになりつつある。これでいいのかと考える際の貴重な資料がこの本に。

   こうした情報が、これからもスムーズに報道されるだろうか。「秘密保護法で遮られかねない時代に入った」と評者も言うように、不安は消えない。

   本にはほかに、中部電力浜岡原発停止までの攻防を追った独自報道や福島原発の事故後の日本に対する米国のいらだちを示した会議録も収録。資料価値をいっそう高めている。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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