「お・も・て・な・し」の心は茶の心 利休にたずねてみたい日本の伝統美

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   師走の慌ただしいなか、茶人の千利休の生涯を描いた映画『利休にたずねよ』(主演・市川海老蔵)が静かなブームを呼んでいる。今年は、東京五輪招致に大きな役割を果たした「お・も・て・な・し」が流行語大賞に選ばれ、「和食」のユネスコ無形文化遺産登録が決まるなど、日本的なものへの関心が高まった。その原点ともいうべき日本の茶道にも新たな注目が集まりそうだ。

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洗練された美意識を学びたい

茶の湯デザイン
茶の湯デザイン

『茶の湯デザイン』

   茶の湯とは何か――。日頃、茶の世界とは縁のない門外漢はハタと考え込んでしまうが、今風にいえば、客をもてなすクリエイティブな遊びだという。中国から渡来し、時代を経てアートとなり、その伝統美は今に受け継がれている。阪急コミュニケーションズのペンブックス『茶の湯デザイン』(監・木村宗慎、編著・ペン編集部、1890円)は、茶の湯の魅力をカラー写真をまじえて網羅的に紹介する欲張りな1冊である。

   代表的な茶室空間、様々な茶道具、しつらえの花、懐石、菓子など、茶の湯の文化を構成するひとつひとつをデザインの観点から奥深く観賞し、洗練された美意識を学ぶ。千利休に代表されるが、身分や時代を超えて練り上げられた茶の湯には、日本人の心やセンスが凝縮されている。世界の人々をもてなし、日本の心を伝える大切な文化だ。

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