大量の情報か、必要最小限の数字か
統計の専門家に限らず社会全体で統計学の知識、考え方を有効活用していくことは重要であると考えられる。ビッグデータの名の下に、一人一人の情報を大量に取得して分析することが社会にとって有用なのか、あるいは効率よい最小限の数字により最大限の社会的効用を目指すのか、もちろん両者のバランスをとって、ということになるが、今後の行政を推進するうえでの一つの視点を与えてもらった。
本書の後半は具体的な統計的手法について、詳細な紹介が続く。どの程度統計学の全体の体系をおさえているのか分からないので、鵜呑みにすることはできないが、本書は首尾一貫して統計学を実学としてどのように活用していくのか、また、統計学について専門的知識はなくとも、統計リテラシーを身につけることが大切であると主張する。もう少し数字を大切に読み解いてみたいと思う。
(経済官庁 管理職 M)