【書評ウォッチ】「もはや社会のインフラ」 コンビニに期待される役割とは

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   来年で日本にコンビニができてから40年だそうで、今では人々の生活から切り離せない存在になった。年間約150億人が訪れ、売上高ではデパートを抜きスーパーに次ぐ。これは市民にとって何だろう、どうあるべきなのかなーと考えた『コンビニと日本人』(加藤直美著、祥伝社)が日経新聞に。商品寄せ集めの小売店から、少子高齢化に対応し、災害時には地域を支える機能を持つまでに進化した物流文化。この際、再評価し、期待を込めて注文もしておく意味はきっとある。【2013年12月1日(日)の各紙からⅡ】

日本人のきめ細かさや事業革新の意欲

『コンビニと日本人』(加藤直美著、祥伝社)
『コンビニと日本人』(加藤直美著、祥伝社)

   コンビニが明日の日本社会をささえるという触れ込みの本なのだが、あながちハッタリでもない。東日本大震災で生活必需品供給の一翼を担った実績がある。地方都市の多くでシャッター商店街が増えれば、住民はコンビニに頼るしかない。まずい・高いのイメージを脱し、多様な商品が置かれているから、高齢者の抵抗感も消えつつある。「安い」「お得」とまではもう一つ言い切れないが、街になくてはならない小売店の代表格に成長したことは確かだ。

   もとは米国生まれだが、システムとして完成させたのは日本だ。日本人の事業開発意欲がピタリとはまり、きめ細かさが最大限に発揮された成果ともいえる。コンビニの「ネットワークをもっと社会のいろいろなところで活かせないかと思ってきました」という著者の意図があちこちの街角ですでに実現している。

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