原子力情報まで「テロ対策」に?
その日本にとっての問題をあけすけに指摘するのが『秘密法で戦争準備・原発推進』。著者は30年間にわたって原発訴訟を多数担当してきた弁護士。国や電力会社によって情報がいかに隠されてきたかをヤマほど知った人の証言でもある。
福島原発事故で重要な情報が隠されたために多くの人たちが被ばくしてしまったことを、著者は語る。これまですでにそうなのだから、特定秘密保護法ができたら?原子力情報まで「テロ対策」とこじつけられて隠し通される危険は推して知るべしだろう。
外交は秘密が当然かとも著者は問いかける。戦争準備との関係も考え、秘密法でどんな行為が処罰されるのかにも触れた。「これでいいのか」ということだ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも記事を公開中。