人それぞれの「わたし遺産」

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   三井住友信託銀行は2013年11月26日、第1回「わたし遺産」企画の入賞作品を発表した。

   大賞は「愛がつまった手作り教科書」「命をつなぐ10円玉」「八丈ショメ節」の3作品。

「どんなに苦しくても、決して死ぬな」

わたし遺産大賞が決定
わたし遺産大賞が決定

   「命をつなぐ10円玉」には、中学校の卒業に際して「どんなに苦しくても、決して死ぬな。この10円玉で電話をかけてきなさい」と、クラス全員に10円玉を配った恩師の思い出がつづられている。筆者の芦田薫さんは応募のきっかけをこう語る。

「日々、先生側が原因の学級崩壊や自殺の問題などがニュースで報じられていて、私自身、知人の先生が精神的にまいってしまい相談をされるなど、いつから教育現場はこのようになってしまったんだろうとずっと気になっていたんです。だからどこかで、恩師のこの話を伝えたいなと思っていて」

   「わたし遺産大賞」は未来にのこしたい「人」「モノ」「コト」とそのエピソードや理由を400字程度の文章で6月3日から7月31日にかけて募集。国内外から人それぞれの「心の遺産」が寄せられ、応募総数は4956通にものぼった。

   「実はもっと応募が少ないのではないか、と心配しておりました。『わたし遺産』という耳慣れない、前例のない企画でしたから」――選考委員の一人を務めたコラムニストの栗田亘さんはこう明かしつつ、「『杞憂(きゆう)』でした。思いもしない数と豊かな内容。素敵な人が大勢いらっしゃる。嬉しい見込み違いでした」と驚いた様子だ。

   大賞3作品のほか、準大賞に20作品が選ばれた。いずれも特設サイト上で公開されており、400字に込められた思いの深さが伝わってくる内容だ。

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