介護現場の未来、担い手をどう確保していくか
現在、介護職員は、全国で約150万人。高齢化の進展に伴って、2025年には更に約100万人近く必要とされる。本書では、働く者の立場から見た、介護現場の非合理さ、介護業務の大変さ、心理的負担の重さなどが、綿々と綴られ、「今が過酷で、将来に光も見えないなら、自分を守るため、介護業界を去っていくほうが、自然な選択のようにも思えてくる」とまで述べる。
そんな危機感から、著者は、介護現場の未来に向けて、2つの提案を行っている。
①介護現場に限定して、看護師や理学療法士の業務が可能な国家資格を、現場で働きながら取得できる仕組みができないか。例えば、介護看護師。資格が取れるなら、意欲のある介護士はキャリアアップを目指して頑張るだろう。看護やリハビリという専門性を生かして働けば、50代になっても、介護現場に残ることができる。
②元気な高齢者が、食事の宅配、デイサービス等の介護現場にどんどん入れるような仕組みを作るべき。「少子高齢時代に、高齢者の介護を若者のみに任せて、上手くいくはずがない」
その通りだと思う。介護現場の未来を考えれば、担い手の確保のために、これまでのやり方ではない、新たな仕掛けが必要だ。超高齢社会となった現在、介護は誰もが避けて通ることはできない問題だ。他人任せにせず、自らの問題として、担い手の問題を考えていく必要がある。
厚生労働省(課長級)JOJO