「みんなで強く」のメンタリティはない
どちらが良いと安易には言えないが、まるで国民性の違いみたいだ。アメリカ式には「みんなで強くなろうぜなどというメンタリティはまったくない」と、読売の記者書評は驚きを隠さない。英語を話そうとしなかった9歳の少年が「自分の居場所は自分で選ぶ」過程には「胸に迫るものがあった」とも。本はユニークな異文化体験物にまとまっている。
そのアメリカで大赤字のコロンビア映画を押しつけられて優良企業に変えたソニー社員の記録『ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ』(野副正行著、新潮社)が朝日新聞に。ハリウッド流のどんぶり勘定対「1円1銭を無駄にしない」日本の家電メーカー流。これもコントラストがはっきり出た。「ビジネスマンの本物を見る」と、評者は清野由美さん。V字回復の会社秘話だ。
ほかには『決定版 世界のパン図鑑 224』(大和田聡子監修平凡社)を毎日新聞が。
世界の224種をカラーで。もちろん北米も登場するが、小麦の故郷といわれる中東諸国のパンも。ここからもお国ぶりの違いが知れる。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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