森永乳業は「ノロウイルスに関する実態と予防の意識」を調査した結果を2013年11月、発表した。
それによると、8人に1人がノロウイルスの感染経験を持っているにも関わらず、過半数が効果の薄い対策を「有効」だと認識していることがわかった。専門家は「ウイルスの体内侵入を防ぐことに加え、普段の食生活に気をつけることも大事」と呼びかけている。
ラクトフェリンがノロウイルス感染症胃腸炎の発症を抑制できる可能性
全年代でノロウイルスに感染したと答えた人は12.8%で、約8人に1人。さらに、20代と30代に絞ってみると、それぞれ20%以上で5人に1人以上という結果が出た。
そのためか、「ノロウイルスについて関心が高いこと」という質問に対しては、「予防法」(54.0%)が、トップの「感染した時の対処法」(55.8%)に次いで票を集めている。ただ、「有効だと思う予防法」については、効果が薄いとされる「アルコール消毒」と回答した人が54.0%と過半数に。
こうした結果について、東京医科大学の松本哲哉教授(微生物学講座主任)は「予防にはウイルスの体内侵入を防ぐことに加え、腸内環境を整え、免疫力を高めることが有効。普段の食生活に気をつけましょう」とコメントした。
いま現在、予防として食事に気をつけているという人は29.6%と少ないが、食事内容でノロウイルスを予防できる方法があれば実施したいという人は79.1%いる。
実際、どういった食事が有効といえるのか。森永乳業の研究によれば、ヒトなどの哺乳類の乳汁や唾液などにふくまれるたんぱく質・ラクトフェリンは、100mgを毎日継続的に摂取することで、ノロウイルス感染症胃腸炎の発症を抑制できる可能性が示されているという。松本教授もこう話す。
「予防効果のメカニズムはまだ明らかになっていませんが、実際にラクトフェリンの内服を続けることで、人においてもノロウイルスの発症をある程度、抑える効果があると考えられます」