【書評ウォッチ】特定秘密保護法は「八百長野球以下」だ その狙いと拡大解釈の危険性とは

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秘密情報をめぐる現代の出来事も

   それはもう昔の話だという見方もあるかも。この疑問には『密約』(澤地久枝著、岩波現代文庫)を、評者はあげる。72年の沖縄返還で軍用地復元費400万ドルを日本に支払わせた見せかけの秘密工作。取材した毎日新聞記者と情報提供者の女性外務事務官が逮捕された事件がある。二人の個人的な関係ばかりが話題になり、肝心の不正な秘密政治はかすんでしまった。戦前の話ではない。戦後も戦後、今の社会制度下であった出来事だ。

   右に世界のあちこちで盗聴を仕掛ける超大国あり、左には技術情報に貪欲な成り上がり大国。スパイ防止も必要かと迷う面はあるけれど、不自由さを増す方向がいいのかどうか。たしかに考えないといけない。賛否どちらの人にも意義のある読書面にまとまっている。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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