レシートをカメラで撮って入力終了、あとはスマートフォンが仕分けや計算をしてくれる――。家計簿がそんなに手軽につけられるなら、と主婦らのアプリ利用者がぐんぐん増えている。なかでも、7月にリリースされた大日本印刷(DNP)の「レシーピ!」は「付けなくて済む家計簿」を目指しており、近い将来、レシート撮影すらせずに済むようになるかもしれない。
72歳男性も、使い勝手に感激
新時代の家計簿は、新たな需要を開拓して利用者を増やしている。DNPのCBメディア開発室の嶋岡立行室長によると、レシーピ!リリース後間もないころに、偶然迷い込んだ1本の電話から、まったく想定外の利用者がいることが分かった。
その主は北海道在住の72歳の男性。妻に先立たれ家計の管理に困っていたところ、飲食店で若い女性からレシーピ!のことを聞いたという。スマホは持っていた男性だが「ダウンロード(DL)」の仕方が分からない。そこで携帯ショップを訪ねて相談、店員がアプリをインストールしてくれた。
男性はしばらく使ったのち、その「便利さ」に感激したあまりDNPに電話。「家計簿を勝手につけてくれる」などと、うれしそうに話したという。
レシートを撮影するだけで、購入品名や価格、合計金額はもちろん日付や店舗名を自動で読み取り、食材や日用品、衣料品などの項目の仕分けや編集なども可能。レシーピ!読み取り機能は精度が高く、金額以外の情報も読み込めるようになっている。DNPによると、レシーピ!の利用者の8割は20~40代。男女比は2対8。全体的には同社の想定に近い結果が得られているという。