【書評ウォッチ】地形から「東京の歴史」読み解く 山と谷、人工の渓谷、消えた坂

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こちらはひどく一人称的な記録

   場所の記憶をまとめた本としては『東京百景』(又吉直樹著、ヨシモトブックス)を朝日新聞が。お笑いコンビ「ピース」のボケ役としてテレビや舞台で活躍する著者が18歳で上京してから15年間に書きためた風景と日々の記録。武蔵野、原宿、下北沢、立川、勝鬨橋といった地名に個人的な思い出をからめて。

   こちらは、ひどく一人称的な記憶の一冊だ。母を連れていけずじまいだった東京タワーとか。評者は詩人・水無田気流さん。

   土地、風景、東京。扱う素材は同じでも、二紙がとり上げた本は性格も味わいもまるでちがう。読者それぞれの好みに応じて、読書の秋を楽しめる。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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