【書評ウォッチ】逃げ場のない島の原発反対運動 「原子力ムラ」対全島民500人

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

見張りは井戸端会議に、散歩は工事車両ストップに

   反対運動の先頭に女性が立ったことも特徴的。夜通しの見張りが井戸端会議になり、情報がゆきわたる。予定地の「散歩」が監視機能を発揮し、工事車両ストップにつながった。

   今、過疎と高齢化の小さな島があみ出した戦術は非暴力住民運動の教科書ともいわれる。本は運動の中心になってきた元漁協組合長の回想と総括に島民座談会も。島の実情は、書評が触れるもう一冊『原発をつくらせない人びと』(山秋真著、岩波新書)でも読める。

   大震災による高齢者ストレスの実態を報告した『避難弱者』(相川祐里奈著、東洋経済新報社)を日経新聞が小さく扱った。福島第一原発間近の老人ホームで何が起きたかの一点にしぼったルポには説得力が。災害時の弱者救護対策を提言してもいる。評者無署名。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

姉妹サイト