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円はいつどのようにして生まれたのか

  『お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生』
『お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生』
『お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生』

   NHKの大河ドラマ『八重の桜』は明治維新の会津を舞台に、鶴ヶ城に籠城して抵抗する会津軍と新政府軍の戦いが前半の大きなヤマ場だった。新政府軍は城を攻め落とし統一国家建設を進めるが、国内にはまだ解決しなければならない大きな問題があった。貨幣制度の確立である。祥伝社新書の『お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生』(著・渡辺房男、798円)は、円の誕生と国家財政の近代化のプロセスをたどったもうひとつの「幕末維新史」だ。

   いまでは円高・円安や日銀の金融政策は、われわれの生活に直接影響する身近な存在となっているが、両が円に移行したのは明治4年、日本銀行が開業したのは明治15年のことだ。困難を極めた貨幣制度の成り立ちをいま一度振り返ってみよう。

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