推進派の考え方を知る資料として
ただ、この意図はともかく、規制改革についてのきちんとした分析と構想の一冊ではある。読者としては推進派の考え方を知る資料と考えればいい。問題点の整理には役立つ。
規制改革を推進する政府、財界寄りの本は出回りやすい。それらはほとんどの場合「ビジネス」「新時代」など、耳触りのよい言葉とともに語られる。反対に、慎重論の本は少ない。しかし、たとえば日本労働弁護団の「雇用規制改革に反対する決議」なら、本ではないが、ネット検索でいきつける。読者もバランスをとって情報に接する努力が必要だ。そのうえでムードや言葉に流されることなく自由に、冷静に判断していただきたい。
政府が検討に入ったという「解雇特区」については、9月21日付朝日新聞朝刊に。「ここまでやるか」という話が出ている。秋の臨時国会で国家戦略法案に盛り込むそうだ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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