【バンコク発】世界注目のタイの奇祭へ参加 観光客も一緒に楽しむ「ゆる~い」魅力とは?

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   高い関税にも関わらず高級車が走り、昼から高級寿司を食べ、夜はワインというバンコクのお金持ちタイ人の暮らしを見るにつけ、これがバブルってことでは?と感じていたのですが、最近タイでブームなのが自転車。街中で"高級"自転車に乗る若者をよく見かけます。暑いのも歩くのも、日焼けするのも嫌いなタイ人が、、、と秘かに驚いていたのですが、そういった思考は、タイ人の旅先選びにも表れているようです。

メコン川の古都チェンカーンの魅力

木造建築が軒を連ねるレトロな雰囲気
木造建築が軒を連ねるレトロな雰囲気 夜にはぐっと雰囲気を増す
夜にはぐっと雰囲気を増す

   旅行好きのタイ人の間で、次の旅先として人気を集めているのが、バンコクから北へ約450km、チェンマイとノンカイの真ん中にあたるメコン川沿いの国境の町、チェンカーンです。木造の民家が軒を並べるレトロな街並みは、ドラマなどのロケにも使われたりしているそう。全長わずか2Kmほどの小さな町で、有名なのは、町から5Kmほどのメコン川のビュースポット「ゲーン・クックー」と、雲海が見下ろせる山「プー・トーク」(11月~2月のシーズン以外は閉まっている場合も)、綿の栽培がさかんで、布や布団が名産です。人工的な名所は特になく、町には大きなホテルもショッピングモールもありません。

   それでも、メコン川沿いの木造家屋はほとんどが趣を残しながら改装されていて、小さなゲストハウスか、ギフトショップに生まれ変わっています。陽射しが強くなる昼間はどこも店を閉めてしまうので、実際に町が動き始めるのは、夕方を過ぎたころから。観光客を狙ったナイトマーケットと、地元の人たちの夕食とおしゃべりの時間が過ぎていきます。

   町をよく見ていると、ショップを手伝っている若者たちがみんなおしゃれなのに気づきます。バンコクで働いていたけれどのんびりしたいから来たという子や、フォトグラファーや絵描きなどのアーティスト(や自称アーティスト)が多く、レトロな町並みの中に、ちょっと面白い風が吹いている感じ。そのあたりもこの町が注目されている要因なのかもしれません。

「ピーターコーンフェスティバル」、お面かぶって練り歩く

様々なお面を付けた人たちが練り歩く
様々なお面を付けた人たちが練り歩く 多くの見物客でにぎわう
多くの見物客でにぎわう

   私が訪れた7月は、この地域の最大の祭り「ピーターコーンフェスティバル」が開催された時期。同じくルーイ県のダンサーイで開かれるこのお祭りめがけて、観光客が押し寄せていました。奇祭として世界からも注目されつつあるようで、西洋人や日本人の姿もちらほら見かけました。

   「ピーターコーンフェスティバル」は毎年7月の満月の夜を含めた3日間に渡って行われます。"精霊祭り"というような意味合いで、仏陀の前世であるウェートサンドン太子が追放されていた国へ帰国する際、森の精霊たちが民衆と一緒に祝福して踊ったという仏教の説話がもとになっているそうです。地元の子供から大人までがお面を被って街中を練り歩くのですが、特に決まったステップもないようで、みんな思い思いに歩いたり踊ったりして、見物客も一緒に楽しみます。当日にまだお面に色を塗っていたり、お面を脱いで道端で休んでいたりと、かなりゆるーい雰囲気。地元の人と混じって楽しみたい人にはおすすめのお祭りです。

   チェンカーンでお店を開いている若者は「何もなくて、リラックスできるのがいいところ。第2のパーイにならないようにしないとね」と言っていました。(パーイは、チェンマイ近くの、これまた次の観光地と謳われていた町だったのですが、観光地化されすぎて魅力を失ってしまったと思う人が多いとか)

   来年この町がどうなっているのか?ちょっと気になるところです。

美濃羽佐智子

<インフォメーション>
○チェンカーンへの行き方
【バス】バンコクの北バスターミナルより、チェンカーン行きのバスで約10時間。チケットは、タイチケットメジャーなどで購入可能。
【電車】バンコクからウドンタニまたはノンカイで下車。ソンテウかロットゥ(乗合バン)でチェンカーンへ。
【飛行機】ルーイ空港からバスで約1時間。

○ピーターコーンフェスティバル
毎年7月に開催される。タイ国政府観光庁(TAT)の日本語サイトでも紹介している。

【プロフィル】
美濃羽佐智子(みのわ・さちこ)
出版社の編集を経てフリーの編集・ライターに。旅・フード・ファッションをフィールドに活動。現在はタイと日本を往復しながら、タイの面白いこと、美味しいことをさまざまなメディアに寄稿中。

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