14歳の日本の少女がある日突然、幻視を体験する。日本の神々の世界に異変が起きているようだ。その後、「各国の古神」がこの動きを察知して、やがて現実世界を巻き込む「ややこしい事件」に発展していく――
『神々の欲望 I 少女の見た夢』(草思社)は、元公明党委員長の矢野絢也氏(81)による初の書き下ろし長編小説だ。本書の帯には、「長きにわたり、宗教・政治に関わってきた著者が放つ問題作!!」とうたい、古代と近未来を結ぶ、時空を超えた一大スペクタクルだと紹介している。
古代と近未来を結び、時空を超える
矢野氏は、公明党の書記長や委員長を務めた。1993年に政界を引退し、政治評論家として活動している。
本書では、少女が幻視を重ねるうちに、幻視の世界と現実とが次第に交錯していく。高天原、謎の宝輪、東方秘教教団、イスラエル十二部族の末裔、神代文字……やがて少女らをめぐり、自衛隊や米軍も出動する展開に。一体、何が起きているのか。
3部作で、今回は第1作。宗教とは、神とは何かを考えさせられながら、「人間が持っている大きな力」に迫る。
2013年9月6日発売。2940円。