お金と稲の関係とは
『知らないと損する 池上彰のお金の学校』アベノミクス、円安・株高、消費税引き上げ――。新聞でもテレビでも経済やお金にかかわるニュースのない日はない。貨幣の歴史や銀行の仕組み、投資や保険、税金など現代社会を支えるお金にまつわる基本情報を整理して伝えようというのが、朝日新聞出版の朝日新書『知らないと損する 池上彰のお金の学校』(著・池上彰、798円)の趣旨である。なんでもわかりやすく伝えることに定評のある著者が授業形式で解説する。
お金は物々交換を媒介する手段として生まれるが、日本でお金の起源となったもののひとつに稲、つまり米がある。昔は稲を「ネ」と呼んでいたので、「それはどれだけの稲と交換できるのか」といったやり取りから、財物の価値のことを「ネ」と呼ぶようになった。それが値段の「値」の語源です、といった調子で授業は進む。