年代統計はU字型カーブ
年齢別の統計では、幸福度がU字型カーブを描くことに毎日の評者・中村達也さんは注目する。単身者より既婚者、とくに女性の幸福度が高いことは、ほぼ世界共通という。若年層の幸福度が高く、年齢とともに低下。40代か50代で最低に。その後は幸福度が上昇するそうだ。
ただし、日本には異なる面が。『「幸せ」の経済学』によると、20代後半と30代の幸福度が低い。この世代の労働をめぐる実情の反映だろうか。
では、与野党がこぞって掲げる「経済成長」で人は幸せになれるのか。「つかみどころがなく難しいテーマだ」と、朝日の評者・原真人さん。「幸福の経済学は、ようやくスタートラインを離れたようである」と毎日で中村さん。内外の調査から幸福度の実相をさぐった2冊、豊富なデータからよくまとめてあるが、それでもまだ「幸せのバロメーター」に絶対的なものはない。
英語圏の感性で仏教をとらえようという『アメリカで仏教を学ぶ』(室謙二著、平凡社新書)を日経が。英語の経典、座禅の姿勢、わかりやすく、とりつきやすいそうだ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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