酷暑のさなか、家でざるそばを食べていて、急にいい海苔が食べたくなった筆者である。海苔は有明、佐賀の海苔というわけで、佐賀海苔を本場から取り寄せることにしたが、せっかくわざわざ取り寄せるのに、普通の海苔を買うだけではつまらない。
そこで今回のお目当ては、ご当地食材として定評ある海苔の名物、佐賀県佐賀市の三福海苔の「佐賀のり 香味干し」(20グラム、1417円=写真)である。同社のウェブショップ「のり道楽」で購入した。
「海苔の概念が大きく変わった」と言わしめる
さて海苔といえば、固めてシート状にした板海苔が一般的。しかし、この香味干しは、有明海で育てられた「佐賀のり」を収穫したそのままの状態で乾燥し、焙煎した「干しのり」だ。有明産の香りと味には大いに自信ありということで、和食の名店の料理長をして「海苔の概念が大きく変わった」と言わしめ、一流の料理人に支持されているんだそうである。
海苔はよく人の黒髪にたとえられたりするが、この香味干しを皿にあけてみると、チリチリになった髪のようで、ワイルドである。と同時に、海苔の豊かな香りが立ち上ってくるよう。口に入れてみれば、チリチリがサクサクで、海苔の風味が口のなかで広がっていく。これほど味の立体感のある海苔というのは、たしかに新体験である。
「佃煮」の風味と甘みはウニのよう
食べ方はつまんでもいいし、ざるそば、味噌汁に使ったりと、いろいろ。とりわけ、ご飯に海苔や刻み海苔を使う場面で香味干しを使うと、一段と風味が増してリッチになる。これには驚かされた。
この香味干しを佃煮にした「香味のり佃煮」(65グラム、735円)も、ちょっと目を見張らされた。ムースのようにスムーズで、磯の風味と甘味はなんだかウニのよう。これまで食べてきたのりの佃煮が出がらしに思えてしまうほどだ。
ご飯に海苔――なんてシンプルなようだけど、海苔の世界も奥深い。佐賀には、食べて驚き、目を見張るような海苔があった。
商品名:佐賀のり 香味干し
販売:三福海苔
サイズ:20グラム
価格:1417円