一見美しい言葉で既定事実のように
ほかには「多様化する働き方」をとりあげた日経の読書面トップ記事が目立つ。
『正社員消滅時代の人事改革』(今野浩一郎著、日本経済新聞社)や『ワーク・シフト』(リンダ・グラットン著、プレジデント社)などを慶応大学の先生があげて、従来の正社員とは切り離された「制約社員」の多元的人事管理などを語る。
こういうときの書名も著者や評者の言葉も「あたらしい」「自由な働き方」など一見美しいが、実態は人間切り捨ての企業論理との批判もある。議論ある問題を既定事実のように指し示すのはおかしい。提言内容と論争の行方を、ここでも冷静に見きわめたい。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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