水産国ニッポン復活のシナリオ
『日本の水産業は復活できる! 水産資源争奪戦をどう闘うか』
土用の丑の日、今年もウナギの高騰ぶりが話題になった。稚魚の激減が原因で、このままでは貴重な水産資源が絶滅する恐れもあるといわれるが、ウナギだけでなく、日本の水産業全体にも通じる話だ。四方を海に囲まれ豊富な資源と絶好の魚場を持ち、漁業王国を誇ってきた日本の水産業がいまや衰退の一途をたどっているという。日本経済新聞出版社の『日本の水産業は復活できる! 水産資源争奪戦をどう闘うか』(著・片野歩、1680円)は、日本の水産業が活気を取り戻し、復活するためのポイントと戦略を示した1冊だ。
著者は大手水産会社の社員として、北欧中心に20年以上にわたって水産物の買い付け業務に携わってきた。その知識と経験から北欧の成功例を紹介しながら乱獲など問題点をわかりやすく解説し、資源管理をはじめとする日本のとるべき方策を提言する。