小学校の臨海学校や家族の海水浴が減ったせいか、若者の「海離れ」が進んでいると先日、テレビのニュースが伝えていた。しかし、夏といえば、やっぱり海だ。海こそ、青春のエネルギーを燃焼させるステージではないのか。果てしない夢を育て、多くの恵みをもたらす海の豊かさと魅力についてもっと知りたい。
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海が今のようになるまでの数々の事件
『海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史』
寄せては返す波の音に耳を傾け、遥か彼方の水平線に目をやる。海を見つめながら人々は様々な思いにふけるものだが、講談社のブルーバックス『海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史』(著・藤岡換太郎、861円)は、宇宙の生命を育んだ海の誕生に思いを馳せる壮大な問いかけである。子どもたちの素朴な疑問にこたえ、大人たちの科学的好奇心を刺激してくれる。
地球の誕生は46億年前だが、まるで「地獄絵図」のような原始地球に海が生まれたのは、いくつのも幸運があったようだ。そして、猛毒物質を抱えたおそるべき海が、現在のような「母なる海」となるまでには想像を絶する大事件があったのだ。その過程を事件史としてたどりながら、将来は海が消えてしまうシナリオに迫る。