欧州各地への乗り継ぎ需要を見込んで開設された日本航空(JAL)の成田-ヘルシンキ線には、意外にヘルシンキ観光を目的にした乗客も多いことが明らかになってきた。乗り継ぐ場合も、ヘルシンキで1~2泊して目的地に向かえば旅の幅が大きく広がる。
郊外に長期間滞在して「スローライフ」を満喫するのも魅力的だが、今回は、「弾丸日程」でのフィンランドの効率的な楽しみ方を現地で探った。
大半の観光地は電停から徒歩圏内
JALのヘルシンキ支店によると、当初はヘルシンキで降りずに乗り継ぐ乗客と、ヘルシンキで降りる乗客の割合を8:2だと見積もっていた。しかし、路線開設後から1か月がたった現在では5:5のペースで推移しているという。フィンランドに短期滞在する需要も伸びているようだ。
ヘルシンキ空港でフィンランド入国後に最初にすべきは、観光案内所で地図を仕入れること。日本語の資料もある。ここでは市内の交通機関のほとんどが乗り放題になる「day ticket」を購入することができる。ここでチケットを買っておけば、空港から市内へのバスを含めて、市内観光で運賃の支払いに煩わされずに済む。値段は24時間有効のもので12ユーロ(約1560円)、48時間有効のもので18ユーロ(約2340円)。
空港から市内までは30分程度。街の中心とも言えるのがヘルシンキ中央駅で、「トラム」と呼ばれる路面電車も同駅を拠点に市内を縦横無尽に走っている。市内は比較的コンパクトで、環状線に乗れば1時間程度で街の雰囲気をつかむことができる。北欧最大のロシア正教の教会「ウスペンスキー寺院」、ルーテル派の本山「ヘルシンキ大聖堂」、「フィンランディア」で知られる作曲家のヤン・シベリウスの業績をたたえた「シベリウス公園」など、多くの観光スポットが電停から徒歩圏内だ。これらの主要スポットは、半日あれば回ることができる。
記者が訪れた7月下旬の日の入りは22時過ぎ。シベリウス公園では20時半を過ぎても大勢のランナーがジョギングを楽しんでいた。北欧ならではの光景だ。