「あれだけ説明したのに、アノ人はなぜ、わかってくれないのか」。そんなイライラを抱える人は少なくないようだ。しかし、「伝わらない」のは「アノ人」のせいではなく、「伝わる」ように話していないアナタのせいかも――WAVE出版からの『伝え方の教科書』は、伝えるための「やり方」をわかりやすく説明している。
「どうせ私は話が下手だし…」といった心配は無用だ。「伝え方」に、頭の良し悪しや、センスの有無は関係ない。「ただ、『やり方』を覚えればいい」。著者の経済ジャーナリスト、木暮太一さんは、そう断言している。
「『誰に』『何を』伝えるのかを明確にする」
本書に出てくるのは、文章や会話の単なるテクニックの話ではない。もっと深くて大切な、いわば「伝え方の鉄則」だ。
「『誰に』『何を』伝えるのかを明確にする」など、「わかりやすく伝える」ための4つのステップについて、具体例を挙げながら解説していく。ステップごとに、「まず、『結論』を明確にする」といったコツも散りばめられている。
著者の木暮さんは、「『わかりやすい説明』のルール」を伝える講演活動を行っている。『今までで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社)など、「わかりやすさ」に定評がある経済本も多く出している。
木暮さんは、「『伝える』ことが、あらゆる仕事の基礎にある」と考えている。自身の経験から、意思疎通がスムースになれば、人間関係も良くなり、「毎日がどんどん楽しくなった」そうだ。本書の「はじめに」で、「一人でも多くの方に、毎日を楽しく過ごしてほしい」と、思いを綴っている。
2013年7月、出版された。1470円。