「連れ込み」とか「逆さクラゲ」などと呼ばれたラブホテルだが、いまでは「ラブホ」の愛称で通っている。最近はそこを舞台にした桜木紫乃の小説『ホテルローヤル』が直木賞を受賞して話題になった。戦後日本の欲望とともに肥大化し、一大ビジネスに成長したラブホテル。あなたの知らない裏の世界を案内しよう。J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中
「現役女子大学院生」による研究成果
『ラブホテル進化論』お城のような建物、けばけばしい装飾。なぜ、ラブホテルの外観はどこも同じようにド派手なのか。それは、外観そのものが広告塔の役割を果たさなければならなかったからだ。いまでこそ雑誌やインターネットに情報が載っているが、おおっぴらに宣伝できない時代があったのだ。文藝春秋の文春新書『ラブホテル進化論』(著・金益見、767円)は、日本人の性意識と住宅事情の変遷を背景に、めまぐるしい進化を遂げたラブホテルについての研究をまとめたものである。
発売当時、「現役女子大学院生によるラブホテル研究」と話題を呼んだが、著者は神戸学院大学大学院時代に全国300軒以上のラブホテルを訪れ、突撃取材で生々しい証言を引き出し、業界の実態と未来像をダイナミックに描き上げた。