「(子どもは)誰よりも力強い応援団に」
それでなくても、女性研究者はいつも子育てと研究をてんびんにかけて、「子育てに専念せずに、このまま研究を続けていいものか」との悩みを抱えている。研究活動を認めても、家事や子育てとの両立を含めて、「それはあなたが選んだことでしょう」と、すべて女性に選択が迫られる。
現在は子育て中の女性が働くことや研究活動に打ち込むことを、面と向かって批判をする人は少なくなったが、精神的な負担を感じる場面はなお多い。
そんな現在の女性研究者に、「子育て女性研究者」の先駆けで、プロジェクトの選考委員でもある恵泉女学園大学大学院の大日向雅美教授は、「女性が子育てと研究を両立することは今なお大変です」と指摘。
「さまざまな困難が重なって、研究を中断せざるを得ないと思いつめたり、なかなか成果が見えないなかで焦ったり、自分を責めたりもするでしょう。それでも、あきらめないで。子どもを愛しながらも、自分の道を貫こうとする母親の姿を、子どもは見つめています。誰よりも力強い応援団になってくれます。そして、母親の生き方にならって子供も力強く生きてくれることでしょう」と、エールを送る。
この助成制度のよさは、研究成果のみならず、研究を続けていくための計画や姿勢なども考慮して支援を決めていることにある。つまり、「研究を続ける」ことで、女性研究者の「未来」を支援しているのだ。
第7回を迎えた「未来を強くする子育てプロジェクト」は現在、未就学児の育児と研究活動に奮闘する人文・社会科学系の女性研究者を募集している。