エコツーリズムと富士山の未来
『ぼくの仕事場は富士山です』
講談社からの『ぼくの仕事場は富士山です』(著・近藤光一、1260円)は、自分の仕事場というだけあって、著者の富士登山歴は500回にも及ぶ。富士のふもとの山梨県富士吉田市出身のプロの富士登山案内人だが、子どものころは山登りに興味がなく、はじめて富士山に登ったのは30歳を過ぎていた。そんな著者を夢中にさせた富士山の魅力とは。同時にこの素晴らしい富士山を守って行くために必要なこととは。
登山者の増加ともに富士山の環境破壊が問題になっているが、著者は早くからエコツーリズムに取り組み、富士山にまつわる地域文化の掘り起こしや自然環境のモニタリング調査に携わってきた。2010年には第5回エコツーリズム大賞優秀賞を受賞している。世界遺産となった富士山のこれからを考えるうえで参考にしたい1冊だ。