【書評ウォッチ】エリートはゴミ、ハリボテか 無責任な「東大話法」を告発・批判

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

欺瞞を認め、繰り返さないこと

   そのうえで「今の日本にもっとも必要なのは、自らの社会を覆う欺瞞を認め、事実を受け入れる」ことだ」と主張。「まずそこからスタートをしないことには、いつまでたっても、同じようなハリボテをつくり続け、そのリスクに頬被りすることの繰り返しなのです」と本気で警告する。

   銀行勤務の経験も交えて日本のエリートを分析する著者は、京大卒の東大東洋文化研究所教授。「東大話法」を見抜き、「立場主義」からの解放を呼びかけるユニークな本にまとめた。読売読書面の「記者が選ぶ」コーナーが「佑」一文字の署名で紹介している。

   『東大理系教授が考える道徳のメカニズム』(鄭雄一著、ベスト新書)を朝日新聞が。これも東大かとうんざりするが、こちらは子育て論。

   どうしても善悪の区別を教えなければならない。親が子にごまかさずに何をどう伝えるかを考えた。「切実な問題を手持ちの道具で解決しようとする姿勢に共感」と、評者の作家・川端裕人さん。「東大話法」ではなく、まじめに論じた一冊らしい。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも記事を公開中。

姉妹サイト