抵抗勢力や既得権益を乗り越えて
あと一点つけ加えれば、この本の値段。6600円は高すぎる。研究書だからしかたないというのでは、普通の市民は買わなくていいとでも? 大学名をかぶる出版元も著者も、もう少し努力を。
ほかには『自治体のエネルギー戦略』(大野輝之著、岩波新書)が日経に。環境政策では、国よりも進んだ自治体がある。東京都もその一つで、CO2温暖化ガスの総量規制と排出権取引で及び腰の国や、中央官僚とそのOBの反対をどう乗り越えたかを解説した一冊だ。
このところ盛り上がらない温暖化論議だが、自治体の可能性を都庁の担当者が語った。問題は「エネルギー消費型都市から転換」を、保守的な抵抗勢力や根強い既得権益をおしのけてどこまで進められるかだろう。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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