政治家の本心を見きわめる
そういえば、昨年衆院選の自民党公約は「3年以内に結論を目指します」だった。あの時点で再稼働となぜ言わなかったのか、票を得るために本心を隠したのか。政治家がはっきりモノを言わない以上、有権者は本その他でしっかり見きわめるしかない。そういう意味でもタイムリーな書評ではある。
景気刺激と金融緩和のアベノミクスに関連しては、『世界の99%を貧困にする経済』(ジョセフ・E・スティグリッツ著、徳間書店)をあげ、評者は弱者への再配分を説く。アベノミクスで潤うのは誰だろうか。憲法問題では『いま、「憲法改正」をどう考えるか』(樋口陽一著、岩波書店)を薦める。
どれも政権与党に批判というより危機感さえにじむ。その立場を差し引いても、政権交代からの浮かれムードに流されないために、この際、役に立ちそうな参考文献だ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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