肺がんのため2010年に亡くなった芸能レポーター梨元勝さんが最晩年に取り組んでいた取材の成果が、関係者の協力により1冊の本にまとまった。帯には「命をかけた渾身の特大スクープ!」とある。
「めまい」や「頭痛」などの不定愁訴の多くは原因がわからないとされる中、本当の原因は首の筋肉の異常による自律神経失調だと訴える医師の松井孝嘉・東京脳神経センター理事長に「密着取材」した力作だ。
「CNMS」と低周波治療
本書は、亡くなる直前まで取り組んでいた梨元さんの遺志を継ぎ、「東京自律神経研究所・新型ウツ病委員会」が補筆、音羽出版が編集して完成した。『私、雅子さまと同じ症状なんです』。
松井理事長のもとに治療を受けに来る患者のなかには、不定愁訴やウツ症状が出て苦しんでいる人が少なくない。松井医師は、こうした症状について、心療内科が処方する薬などでは治らない、「自律神経性新型ウツ」だと位置付けている。それは首の筋肉の異常から起こる「頚性神経筋症候群」(CNMS)のひとつで、首の筋肉の「コリ」を取り除く低周波治療などにより、ウツ症状などが完治した患者の体験例が数多く紹介されている。
また松井医師は、2003年に「適応障害」と診断され、治療を続けられている皇太子妃雅子さまについて、各種報道からうかがえる様々な症状はCNMSに特徴的なものだとして、治療方針の変更の必要性を訴えている。梨元さんが迫った実情とは――
2013年に入って発売された。1365円。